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Friends with Benefitsの概要

Friends with Benefitsは2020年9月に始まったプロジェクトで、クリエイターや思想家のためのDAO(自律分散型組織)として、デジタル空間と実世界の両方で活動しています。

数多くのDAOが生まれる中、Friends with Benefitsは影響力のあるDJであり起業家のTrevor McFedries氏が立ち上げたDAOで、アーティストやデザイナーといったクリエイティブクラスや、クリエイティブクラスをとりまく人たちを暗号通貨の世界に引き込む可能性があり期待が寄せられています。
※ DAOについて詳しくは本ブログの記事「自律分散型組織DAOとは」を参考にしてください。

Friends With Benefits

Friends with Benefitsのようなコミュニティはソーシャルコミュニティ、その中で使われるトークンはソーシャルトークンとも呼ばれます。

Friends with Benefitsに興味を持った人は、参加申請をし、申請が受け入れられたら必要数のFWBトークンを購入し、メンバーになります。Friends with BenefitsのメンバーはDiscordサーバーに参加し、志を同じくするメンバーと親交を深め、プロジェクトに加わったり、プロジェクトを立ち上げたりできます。またオンライン・リアルで開催されるイベントにも参加できます。

Friends with BenefitsはこれまでにトークンベースのチケットシステムNFTギャラリーなどをリリースしました。Friends with Benefitsとしての活動以外にも、メンバー間で企業を立ち上げ有名ベンチャーキャピタルAndreessen Horowitzから資金を調達した事例もあります。

Friends with Benefitsのウェブサイトではイベントのリストが公開されています。今後アメリカのほか、ストックホルム、中国、オーストラリアでもイベントが開催される予定です。

世界的にインフレが進み、暗号通貨は冬の時代とも言われていますが、2022年8月にカリフォルニアで開催されたFriends with Benefits初の複数日程のフェスティバルには、数百人の参加者が集まり一定の盛り上がりを見せた様子がうかがえます。このイベントについてはファッション誌Elleのオンライン版も取り上げています。

Gatekeeper — FWB Fest // RECAP

A Weekend in the Woods With Crypto’s Cool Kids – elle.com

Friends with Benefitsは夢みがちなクリエイターのユートピアではなく、しっかり資金調達をしています。2021年にはa16zから1000万ドル(本記事執筆時点9月上旬のレートで約14億円)の出資を受けました。

Fundraising in a Community First World

Investing in Friends With Benefits (a DAO) | Andreessen Horowitz

2021年12月のCoinDeskの記事によると当時のFriends with Benefitsのメンバー数を2000人、2022年8月のFriends with Benefitsのブログ記事では4000人以上としていて、暗号通貨の盛り上がりが欠ける中でもFriends with Benefitsのコミュニティーは拡大しているようです。

2022年8月に公開されたメンバーへの調査によると、Friends with Benefitsのメンバーの多くはFriends with Benefitsに参加する最も重要な理由として「同じ志を持つ人たちが集まるコミュニティへのアクセス」を挙げています。これに「コントリビューターや投票者としての参加」「イベントへの早期アクセス」「暗号通貨やNFTのニュースを得る」が続いています。また、同調査によると、メンバーの半数以上が実世界でのFriends with Benefitsのイベントに参加したことがあり、実世界のイベントにもポテンシャルがあり、今後より多くの都市での開催が計画されるようです。

画像: Friends with Benefitsに参加する理由(メンバーへの調査より)

 

Friends with Benefitsの生い立ち

Friends with Benefitsが注目を集める背景には、Friends with Benefitsを立ち上げたTrevor McFedries氏の影響が少なくありません。

同氏はDJであり起業家で、2020年9月にFriends with Benefitsを立ち上げました。2020年9月といえば、まだ2020年末から2021年にかけての前回の暗号通貨ブームが始まる前で、ちょうど2020年のDeFiサマーが終わりに向かう頃にあたります。

McFedries氏は音楽業界からキャリアをスタートし、DJ、プロデューサー、コーディングができたことからソフトウェアエンジニアとしての経験もあります。ConsensysのインタビューによるとMcFedries氏が暗号通貨の世界に足を踏み入れたのは2013年とのこと。

2014年には人工知能やそのメディアビジネスへのソリューションを提供するBrudを創業しました。Brudは仮想的なキャラクターLil Miquelaをプロデュースしていることを明らかにしました(Lil MequelaはInstagramに300万人ものフォロワーがいる、ある種のセレブリティです)。Brudは2021年にブロックチェーンFlowの開発で知られるDapper Labsに買収されました。

プロデューサーとしての経験からアーティストが社会を動かしうること、アーティストは仮想的なキャラクターでもありうること、その根底にはクリエイターがいることから、McFedries氏はクリエイティブクラスのためによりよい未来を築きたいという思いを強くしていったようです。

McFedries氏はソーシャルトークンをミントできるRoll、トークンベースのコミュニティマネジメントシステムCollab.LandDiscordといったツールを組み合わせてFriends with Benefitsの原型を作りました。

現在DAOと呼ばれるものの中にはクローズドなDiscordグループでしかないものも少なくありませんが、Friends with Benefitsは実際にコミュニティーに必要なツールやサービスの構築を行い、資産管理し、魅力的なイベントを開催しメンバーをひきつけています。

 

Friends with Benefitsのしくみ

Friends with Benefitsはクローズドなコミュニティーで、メンバーになるには参加申請が受け入れられる必要があります。参加申請フォームでは専門や興味、どのようにFriends with Benefitsに貢献できるかをたずねられます。参加可否は3週間以内に通知されます。

FWB APPLICATION TIPS – Friends With Benefits

How To Join Friends With Benefits(メンバーになるまでのプロセスをした動画)

Friends with Benefitsの根幹にはERC20トークンFRBがあります。当初Rollを使ってリリースされたFWBは2021年3月にRollがハッキング被害にあった影響を受け、Friends With Benefits Pro(ティッカーは変わらずFWB)に刷新されました。旧トークンはFriends With Benefits Classicと呼ばれています。

ローカルメンバーになるには5FWB、グローバルメンバーになるには75FWBを購入し、支払う必要があります。本記事執筆時点で1 FWBは10ドルほどで、近くに活発なローカルコミュニティーがあるのであれば参加してみてもよいかもしれません。

現在でこそメンバーシップは手の出る価格になりつつありますが、2021年8月から9月にかけてFWBの最高値は180ドルを超え、当時のドル円レートでもローカルメンバーシップを獲得するのに10万円近くの出費が必要だったことになります。

画像: FWBの価格推移(CoinMarketCapより)

FWBの発行枚数は1000,000枚で、19.9%がチームに、35.6%がコミュニティーの基金に、4.4%がリクイディティープールに、残りの40%が既存のメンバーと旧トークン保有者へのエアドロップに割り当てられました。既存のメンバーが4000人以上存在し、グローバルメンバーシップとローカルメンバーシップの保有者の割合は不明ですが、今後コミュニティーが拡大すれば新しくメンバーシップを獲得するのは難しくなるかもしれません。

メンバーはFWBの保有量に応じて、Discordサーバーのスレッドや、実世界でのイベントにアクセスできます。Friends with Benefitsでは当初トークンの発行にはRollが、トークン保有量によるメンバー管理にはCollab.Landが使われていましたが、現在のシステムアーキテクチャは公開されていません。実世界でのイベントでのチケット発行とそれに伴うトークン保有量のチェックは独自のGatekeeperというアプリケーションで行われるようになり、プロジェクト開始から約2年が経った現在では独自のシステムが確立されている可能性があります。

ガバナンス投票は分散型投票システムSnaposhotで行われていて、投票にはFWB必要です。
※ Snapshotについて詳しくは本ブログの記事「Snapshot(スナップショット) – DAOで活用が進む分散型投票システム」を参考にしてください。

 

今後の展開

Friends with Benefitsは2022年3月のブログ記事で今後のロードマップを説明しています。メンバーディレクトリ、アーカイブシステム、ガバナンスのための仕組みやツールの開発が進められる計画です。

2022 Product Retrospective and Roadmap

Friends with Benefitsのブログや、Friends with Benefitsに関連する記事の中では実世界での体験を重視する姿勢がうかがえ、Friends with Benefitsがオンラインや匿名性を重視したDAOと異なる点です。冒頭で紹介したFriends with Benefitsのメンバーへの調査でも実世界のイベントへの期待が表れていることから、今後より多くのローカルグループが組織され実世界のより多くの地域でイベントが開催されることが考えられます。

 

おわりに

本記事ではクリエイティブクラスのためのソーシャルDAO、Friends with Benefitsを紹介しました。

本ブログでは過去にMaker DAONouns DAOBAYCBanklessDAOといったDAOを紹介しました。

有名なDAOの中には暗号通貨界隈の著名人が関わっていたり、セレブリティーがメンバーになっていたりするDAOが存在し、メンバーになるには高額なNFTを購入する必要があるものもあります。

Friends with BenefitsもクローズドなDAOで少なからず費用がかかりますが、クリエイティブクラスに焦点をあてて、実世界とデジタル空間の両方でWeb3のカルチャーを形作るという取り組みはユニークなものといえます。また、Friends with Benefitsが劇的に暗号通貨やブロックチェーンの世界に入ってくる人の数を増やすことは期待できませんが、パーティー好きでユニークな体験に興味のあるクリエイティブクラスの関心をひくことになるかもしれません。

また、当初トークンの生成に使用したツールはハッキングの被害にあってはいるものの、どのようなツールでFriends of Benefitsが身軽にDAOを形成し始めたのかは、これからDAOを作ってみたいという人や組織の参考になるのではないでしょうか。

今後Friends with Benefitsが暗号通貨界隈を超えて新しいユーザー層にリーチしていくのか、どのようなアウトプットが出てくるのか注目したいところです。

エンジニアの経験と情報学分野での経験を活かして、現在はドイツにてフリーランスで翻訳・技術解説に取り組む。2009年下期IPA未踏プログラム参加。2016年、本メディアでの調査の仕事をきっかけにブロックチェーンや仮想通貨、その先のトークンエコノミーに興味を持つ。

DAOFWBSnapshot

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