今回はDAOを組成する前にすべきことというテーマで、「DAO組成キャンパス」について説明します。これを書くことでDAOのゴールと現状の差を整理することができます。
スピーカー:上井登志之
web3事業本部 Discord運用マスター
Discordを用いたDAO組織の運用や、Discord運用ノウハウの発信活動を行っている。また個人では、都内国立大学獣医学科在学中に学生起業し、学生向け採用メディアや採用イベントの運営、学習塾の運営、WEB制作受託などを行う。
DAO組成でよくある事態
こんにちは ガイアックスの事業部で、Discordの運用マネージャーを している上井です。
本日はDAOのゴール設計というテーマで お話をしたいと思います。
普段はメインでDiscordについて お話することが多いですが、Discordを盛り上げるためにも、結局はDAOの全体像を整理して、メンバーが自ら動いていく状態を 作り出す必要があります。
今回の目次です。
こちらを早速 お話していきたいと思っております。
まずDAO組成でよくある事態です。
こちらをお話した後で、私達が実際に使っているテンプレートを用いて、解説していきたいとい思います。
今回はガイアックスが携わっている 事例として美しい村DAO、こちらを1つ具体的な事例として ご紹介しながら、こちらのDAO組成キャンパス というテンプレートの使い方を、ご紹介できればと思っております。
では早速、DAO組成で よくある事態ということで、お話していきたいと思います。
DAOの運用というのは 非常に参加者のモチベーションが高いこと、これを維持することが かなり大事になってきます。
ただ、これがとても難しいです。
故に参加者の役割や 行って欲しいこと、あとはそれのリワード インセンティブとか、この辺りを整理しておくことが とても重要になってきます。
DAO組成時にここをおろそかにすると、そもそもこれ何でやってるんだっけ?
という状態になりやすいです。
ですので、ここの部分は組成時に整理しておいて、で、これはその時に 解決されていなくても大丈夫です。
まずリリースしてという形で良いですが、最初の初期メンバーの方達が、今どこが足りていないのかということを、共通認識持っておくこと、これ自体がとても重要になってくるので、まず、こちらを整理しておく。
これを意識してみてください。
私達がいろんな企業様から ご相談いただく時に、まず、こちらを書きましょうという形で ご紹介しているものが、今回ご紹介する DAO組成キャンパスになります。
DAO組成キャンパス
次からDAO組成キャンパスについて、説明していきたいと思います。
DAO組成キャンパスを一言で言うと、組成するDAOコミュニティの メンバーやリソースや報酬、これを整理するためのテンプレートになります。
実際に見ていただいた方が 早いかと思うので、次のページで見てみましょう。
はい、こんな形です。
Key Partnersはメンバーです。
あとはその方達のコメントや活動。
そして、そのインセンティブ。
そして、どうやって集客するのか?
どうやってメンバーに移管していくのか?
その辺りをまとめるための テンプレートになります。
実際に書いてみよう
今回は実際に 書いてみようということで、我々が携わっている事例として 美しい村DAO、こちらを例に組み立てていければと思います。
知らない方のために美しい村DAOについて、ご説明を簡単に させていただければと思います。
美しい村DAOは複数の自治体が参加して行う 地方創生の場となっております。
地域住民だけではなくて デジタル村民という形で、NFT、ガバナンストークンの役割を持っている NFTを購入することで、こちらのDAOに携わることが出来る こういったDAOになっています。
少し図解でこちらを 参考にしていただきたいと思いますが、美しい村DAOの全体、地域住民が提供するサービスを 受けられるNFTを販売しています。
購入者はデジタル村民として DAO内に議決権を持ちます。
さらに、このNFT こういったNFTのインセンティブ、を受けることもできます。
棚田のオーナー権や美しい村のギフトとか、そういったインセンティブです。
DAO全体でどういった 取り組みをしているのかというと、新規でNFTとかインセンティブの 提案、発行をしたり、あとはプロジェクトを立案して 運用していくという、こういった活動を行っていくことが目的です。
ということで実際に 先ほどのDAO組成キャンパス、これを美しい村DAOという事例に 当てはめてみるとどうなるのか?
こちらです。
これ実際に僕で考えてみた、DAO組成キャンパスの 美しい村DAOの一例になっております。
これ、ごちゃっとしてわかりづらいと思うので、1個ずつ解説していきたいと思っております。
メンバーは大きく分けて 4つあるかなと思っております。
まずは地域住民の方です。
今回の場合は美しい村DAOは松崎町と智頭町、この2つの町村が関わっているので、ここに住んでいる方達となります。
あとは2つ目3つ目 これはデジタル村民ですが、デジタル村民も 2つ分けられるかなと思っています。
1つ目がNFTに興味がある方。
2つ目、地方創生に興味がある方。
多分、一緒のことも多いと思いますが、荒く分けるとこんな感じになるかなと思います。
4つ目は今後、可能性がある参加者として、企業の投資部門担当者です。
デジタル村民を企業で行うみたいな、そんなイメージになるかなと思いますが、ちょっとこちらは一旦今回は、今後可能性があると 思っていただければと思います。
次にKey Activitiesということで、DAOのメンバーの活動について お話していきたいと思います。
DAOのメンバーの活動は 大きく分けて3つ挙げられます。
新規プロジェクトの提案と運営。
これはDAOのメンバーの方から自発的に、こういったプロジェクトやりましょうよ。
みんなで動かしましょうよ。
デジタル村民も関わって 動かしましょうという形で、提案が巻き起こって、議決でいいねとなって、じゃあ、僕これやりますみたいな形で、プロジェクトを進行していくという、所謂DAO型のコミュニティ プロジェクトの運営という形となります。
もう1つ、新規NFTの発行、これはアイデアになるかもしれないですが、例えば今、森の幼稚園の 体験入園権があるのだったら、森の小学校の体験入園権 どうですかという形で、新しいインセンティブを提案したりとか、こういった形で今もあるインセンティブの他に、インセンティブを提案したりとか、あとはこういったものをNFTで 販売してもいいのかもという形で、難しいですが 例えば地域の名産品とか、これをNFTとして販売したりとか、そういった形です。
次にKey Resources あとはValue Propositions。
この2つを解説していきたいと思います。
Key Resourcesというのは所謂NFTとか、今回の場合はNFTですが、購入することのインセンティブになります。
これは基本的に、金銭よりは体験とかサービスを 受ける権利の方がいいです。
例えば美しい村DAOの場合だったら、棚田のオーナー権、あとは疎開保険みたいな形で 権利を販売しております。
あとValue Propositions。
これは非常に重要になってきますが、このNFTとかこういった活動、これを続けるための何がモチベーションになるか というところの整理になります。
美しい村DAOの場合は、ここがどのように 設計されているかと申し上げますと、コミュニティに貢献することで、ガバナンストークンを得ることができます。
先ほどの発行されたNFTを 購入した方というのもこの1つ、1ガバナンストークンが付与されますが、実際に貢献活動を続けていくことで、このGGT、ガバナンストークンが 増えていきます。
故に貢献すればするほど 議決権が高くなる仕組みになりますので、これ自体はモチベーションに、かなり働くのではないかと 考えて設計されている。
そういった形でございます。
次のCustomer Relationship。
これはDAOのメンバーと運営者の 関係性という形ですが、純度の高いDAOだと ここはかなり曖昧になってきます。
DAOのメンバーと運営者というのが ほぼなくなってくるのですけれど、組成する際はここ かなり大事になってくると思うので、整理しておきましょう。
美しい村DAOの場合は 市町村の意思決定者と住民、もしくは日本で最も美しい村連合、こことデジタル村民という形で、この2つに分けられるかなと思います。
前者が運営で後者がDAOメンバーです。
次にそういったメンバーの 収集手段ですが、美しい村DAOの場合は3月に丸の内で イベントを開いたり、あとは定期的なオンラインのイベントとか、そういったものを行ったり 予定したりしています。
ここは別の動画でも 解説したかもしれませんが、一度顔を合わせるという ハードルを設けることで、その後DAOに参画した後の エンゲージメントの低下、これを防ぐこともできます。
ですので、ここは どのぐらい最初に風呂敷を広げるか、そこによるかなとは思いますが、だんだん集めていくというのも、エンゲージメントを下げないようにするためには、意外と重要なことですので、こちら皆さんもDAO組成の際にも 参考にしていただけるといいかと思います。
次に Customer Segmentsということで、参加して欲しいDAOメンバーの属性と特徴です。
先ほどのKey Partnersを 進化させたようなものですが、先ほどちょっと申し上げたようにデジタル村民、ただ、NFTが欲しい NFTに興味ある、NFTを集めたいだけではなくて、プロジェクトの理念に共感していただいて、実際に行動してくれるユーザー、例えば、議決してくれたりとか 提案してくれたりとか、そういったユーザーが欲しいということです。
さらにいうと 実際に参画している市町村に、足を運んでくれるユーザーが もちろん一番いい。
こういった形でございます、最後2つです。
少し解説して おきたいと思います。
Cost Structureいうことで、最終的にDAOメンバーに 移管させていきたい権限とか仕事、そのタイミング あとはそれまでの人件費とか、この辺りをまとめる、所謂タスクもちょっと整理しておきましょう というラインになりますが、まず大前提で構造を理解してもらうための コミュニケーションというのは、もちろん重要かなと思います。
ここの整理できた部分。
こういった構造ですと参加者に 理解していただくためのコミュニケーション。
これは重要になってくるかと思います。
加えて美しい村DAOの場合は、投票や提案だったり プロジェクト進行という形で、結構いろんな目的、作業が 発生する可能性があるので、ここの基本的なツールの使い方とかの理解、これはやはりもちろん促していく必要はある。
それ自体も運営から 段々手離れさせていく必要があります。
その土台の上で 新規プロジェクトの立案とか議論、あとはそれの進行というのも 行われると理解しています。
最後に それらがうまくいった際の成果物、こちらについてです。
まず、成果物として最初のステップとしては、DAOメンバーの投票によって 決議が1件でも発生したら、これ自体が成果物と僕は認識しています。
さらに中心メンバー不在でも提案、議論、決議。
さらにいうとそれのプロジェクトを進行、このフローが成立する状態は、最終的なゴールになってくる のではないかと思っています。
ということで、ここまでの9つの項目によって、組成するDAOの全体像というのを 洗い出すことができたのではないかと思います。
やはり先ほども申し上げたように、全部埋めていくのは 結構難しいと思います。
ただ、その中でも今 足りてない部分というのを洗い出して、それは今後決めていこう という形でもいいので、まずこれを書いてみることを おすすめしています。
そして、やはり特に 皆さんが躓くところはここです。
Key ResourcesとValue Propositions、ここが一番躓くことになるかなと思います。
その場合は是非我々に ご相談いただいても結構ですし、あとはこれを作る際に 皆さんの意見を出し合いながら、うちはこういうリソースがあるから、こういうインセンティブが できるのではないか、という風に案を出し合う。
こういう工程を踏むことも重要に なってくるのではないかと思います。
注意点
最後に注意点について お話していきたいと思います。
実際に書いてみた上での注意点です。
やはりゴールを整理することに 長けているかと思います。
で、現状足りてない部分もかなり明確になるので、現状とゴールの差を明確にする分には、こちらのDAO組成キャンパスは 非常に使い勝手が良いと思います。
定期的に書いていくというのが 良いのではないかと思います。
一方でプロセスを把握するには、やはりこれだけでは不十分かな というところではありますので、DAOのタスクや進捗管理というのは、別途用意した方がいいと思います。
まとめ
ということで 今回はDAO組成キャンパスを用いた、DAOのゴール設計というテーマで お話していきました。
このチャンネルではDiscordを用いた DAO組成の運営方法とか、Discordのおすすめの使い方を ご紹介させていただいております。
チャンネル登録、高評価 よろしくお願いいたします。
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本日はありがとうございました。