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  • 更新日: 2020年11月10日  

ビットコインとイーサリアムブロックチェーンを利用し、あらゆるファイルやコミュニケーションを認証・証明する公証サービスプラットフォームStamperyを紹介します。

 

Stamperyとは

個人や企業は日々ファイルを作成したり、メールを書いてコミュニケーションをしたりしますが、これらを公式な文書とするには紙に印刷し、公証人や信頼に足る第三者に依頼して証明してもらう必要があります。この公証手続きには時間とお金がかかります。

Stamperyは2014年に創業したスペイン発のスタートアップで、ビットコインとイーサリアムのブロックチェーンを利用して、あるデータの存在、所有権、そして完全な状態であることの証明を反論の余地のない形で安価に提供することを目指しています。

Leaders in blockchain-based data certification | Stampery

Stampery

Stampery enables users to certify the existence, integrity and ownership of any file or communication using the bitcoin blockchain. All the proofs generated by Stampery are automatically generated, impossible to modify, damage or destroy and valid globally – forever – even if Stampery disappears.

StamperyはブラウザベースのサービスをStamp.ioで提供しています。アカウントを作成し、ファイルをドラッグアンドドロップすると、ファイル名、証明書を申請した日時、署名したユーザーの名前、データのハッシュを記載した証明書が発行されます。

Stamp.io – Certify your digital documents using the Blockchain

画像: Stamp.ioで発行されたStamperyの証明書

Stamperyは証明書の発行の他、APIの提供、外部システムとの連携も行っています。Stamp.ioではGuardtimeのサービス紹介記事で触れたエストニアの国境や民族を超えたID「e-Residency」を利用してファイルを証明することもできるといいます。

Estonian ID Integration | Stampery

このような公証サービスを提供するStamperyですが、どのようにブロックチェーンを利用しているのでしょうか。次にその概要を見てみましょう。

 

Stamperyとブロックチェーン

Stamperyの公証サービスは、ビットコインとイーサリアムふたつのパブリックブロックチェーンのセキュリティーの高さ、誰もがデータの正しさを確かめられるという性質に支えられています。また、たとえStamperyがなくなったとしても、データはブロックチェーン上に残るため証明は有効なものとして存在し続けます。

ただ、これらブロックチェーンには一定期間に処理できるトランザクション数、トランザクションに埋め込めるデータの量に制限があります。Stamperyは独自のタイムスタンピング技術BTA(Blockchain Timestamping Architecture)でこの問題を克服しています。

BTAではデータをマークルツリーを用いてハッシュ化してブロックチェーンに埋め込むことで、データの大きさを一定の長さに限定しています。こうやって、ハッシュ化したデータを書き込むことにより、ブロックチェーンに軌跡を残します。これをアンカリングといいます。また、ハッシュ化してアンカリングすることで生のデータをパブリックなブロックチェーンにさらすことなくブロックチェーンにアンカリングできるというメリットもあります。

マークルツリーについてはこちらもご参照ください。
トランザクションデータを要約する技術「マークルツリー」

また、BTAでは承認時間に約10分かかるビットコインブロックチェーンと承認時間がおよそ17秒以下と短いイーサリアムのブロックチェーンを併用することで処理スピードの向上と、信頼性の向上を行っています。1分ごとにイーサリアムのブロックチェーンに書き込むことで、10分に1度しか承認できないビットコインのブロックチェーンに対しスピードの向上を行っています。また、10分に1度、ビットコインのブロックチェーンに書き込むことにより、2種類のチェーンの信頼重ねることにより、信頼性の向上を行っています。

BTAのデータ構造、データの妥当性の証明について詳しくはホワイトペーパーが公開されています。

Stampery Blockchain Timestamping Architecture (BTA)

 

Stamperyの今後

Stamperyは今後の展開について明示していませんが、Microsoft Officeと提携し、企業ユーザーへのリーチを広げようとする動きがあります。

Stampery Blockchain Add-in for Microsoft Office – Developer Blog

また、2017年夏のビットコインの分裂に際して書かれたNew York Business Journalの記事では、Stamperyの共同創業者で現在はアドバイザーのルイス・クエンデ氏の「人々はビットコイン(のブロックチェーン)上ではなく、やりたいことのできる独自のチェーンを開発し始めている」という発言を引用していて、ビットコインのブロックチェーンの利用に始まり、イーサリアムブロックチェーンを統合してきたStampery の今後をうらなうヒントになるかもしれません。

After dispute, bitcoin splits in two – New York Business Journal

余談になりますが、クエンデ氏はStamperyを起業した当時19歳(1995年生まれ)で、イーサリアムを考案したヴィタリック・ブテリン氏とほぼ同世代です。

ブロックチェーンという新しい分野で、若い世代やスタートアップが世界中から台頭してきているのを目の当たりにすると、コンピューターの黎明期やインターネット黎明期のような新しい時代の幕開けを予感せずにはいられません。

 

 


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Ethereumはじめてのビットコイン公証
Aram Mine

Aram Mine

Gaiax技術マネージャ。研究開発チーム「さきがけ」リーダー。新たな事業のシーズ探しを牽引。2015年11月『イーサリアム(Ethereum)』 デベロッパーカンファレンス in ロンドンに参加しブロックチェーンの持つ可能性に魅入られる。以降ブロックチェーン分野について集中的に取り組む。

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