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Mirror

Mirrorとは

暗号通貨分野でMirrorというと、DeFiのMirrorプロトコルを思い浮かべる人もいるかもしれませんが、本記事では、記事を書いてアイディアを共有し、NFTを使った資金調達もできる分散型メディアプラットフォームMirrorを紹介します。

Mirror: Create and connect your world on web3

Mirrorは、Denis Nazarov氏が2020年に始めたプロジェクトです。Nazarov氏はMirror以前には、Spotifyに買収されたMediachainを共同創業し、その後は有名ベンチャーキャピタルAndreessen Horowitz(アンドリーセン・ホロウィッツ、a16z)の暗号通貨分野のパートナーを務めていました。Mirrorは開始から間もないプロジェクトですが、Union Square VenturesやAndreessen Horowitzから少なくとも1000万ドル(2022年2月本記事執筆時点のレートで約11.5億円)を調達しました。Union Square VenturesはMirrorを1億ドル(同レートで115億円)と評価したとも言われています。

Union Square Ventures Values Crypto Publishing Tool Mirror at $100 Million — The Information

暗号通貨分野ではこれまでにも「ブロックチェーンを利用してユーザー主体の分散型メディアプラットフォームを作ろう」「クリエイターが収益を手に入れられる仕組みを作ろう」という動きがありました。古い事例としては2016年にローンチしたSteemit(現Hive.blog)、日本発のものではSteemitに着想を得て2017年にローンチしたALIS、最近のものではDfinity上のDSCVRなどがあります。

まだNFTという用語さえなかった時代のSteemitが汎用なブログプラットフォームだったのに対し、Mirrorはクリエイターやプロジェクトが資金を調達する仕組みとして、2020年後半から注目が集まったNFTを取り入れています。MirrorにはWrite Raceという投票を勝ち抜いたユーザーしか投稿できませんでしたが、2021年10月に誰でも投稿できるようになりました。

Publishing on Mirror is Now Open to All — Mirror Development

Mirrorについて日本語圏ではCoffeeTimesさんが暗号通貨とブロックチェーンに関するメールマガジンBspeak!の中で度々取り上げています。CoffeeTimesさん自身Mirrorのユーザーで、Write Raceを勝ち抜いてMirrorで初めて日本語の文章の投稿をされました。筆者もBspeak!でMirrorの存在を知りました。

続いてMirrorを使ってできることを見てみましょう。

 

Mirrorでできること

記事の執筆

MirrorにはEthereumアドレスが割り当てられたウォレットを使ってログインし、記事を書き、公開できます。この基本的な機能からMirrorはブログプラットフォームと説明されることもあります。筆者も実際に2021年に誰でもMirrorに投稿できるようになったタイミングでMetamaskでログインして記事を書いてみました。
※ ログインに使うEthereumアドレスは公開されるので、試しに使ってみる場合には取引や貯蓄などに使っているアドレスではなく、別にアドレスを用意するのが賢明です。

画像: Mirrorで公開されたブログ記事

ウォレットを使ってログインする部分は暗号通貨に慣れていないと戸惑うかもしれませんが、そこを乗り越えれば執筆画面は一般的なブログプラットフォームのものと変わりなく、普段ブログを書いている人は違和感なく記事を執筆し、公開できるはずです。

記事にはブログのようにテキストや画像を掲載できるだけでなく、MirrorのクラウドファンディングやNFT、オークション、Splitと呼ばれる収益の分配機構などを埋め込むこともできます。

画像: Mirrorの執筆画面

記事は分散型ストレージArweaveに保存され、記事を公開する際に手数料はかかりません。正確にはArweaveへの保存に若干の費用がかかりますが、Mirrorが負担していると考えられます(Mirrorの開発ブログでは2021年1月時点で1投稿あたり約0.00015ドルの費用がかかるとしています)。

記事のNFT化

執筆画面で右上のNFTというチェックボックスにチェックを入れて記事を公開すると、NFTとして記事を公開できます。2022年2月本記事執筆時点ではNFTの発行には約93ドルのガス代がかかります。読者としては、NFTを収集してクリエイターやプロジェクトをサポートできます。

画像: NFTとしての記事購入画面

クラウドファンディング

Mirrorにはクラウドファンディングキャンペーンを実施する機能もあります。クラウドファンディングキャンペーンの設定画面を見てみると、ガイドを読んで、基本事項を入力し、資金調達のゴールを設定するなど、中央集権型のクラウドファンディングサービスと特に大きな相違はありません。ただ、通貨の単位がETHで、返礼として独自のERC20トークンを作成して支援者に渡せる点が異なります。

Mirrorを使ったクラウドファンディングキャンペーンの成功事例として、ドキュメンタリー映画「Ethereum: The Infinite Garden」の資金調達があります。2021年7月に資金提供が呼びかけられるとわずか3日間で目標額の750ETHを大きく上回る1000ETHを超える資金が集まりました。

画像: 映画製作のクラウドファンディングキャンペーンについての投稿

 

Mirrorを使った事例

Mirrorの開発ブログには2022年年初にMirrorの最初の一年を振り返った記事が投稿されました。この記事の中では先に紹介したEthereumのドキュメンタリーのためのクラウドファンディングのほか、ニュースレターのDirtがマスコットのNFTをオークションにかけて65,000ドルを超える資金を調達した事例など、Mirrorを使った興味深い事例が紹介されています。

New Year, New Mirror: Reflecting on Mirror’s First Year — Mirror Development

NFTを作って売り抜けることを超えた、NFTを利用した多様な資金調達や、オーディエンスとのコミュニケーションの術が垣間見えるようです。

また、分散型レンディングプラットフォームのAaveは、Aave(https://aave.mirror.xyz/)とAave Grants(https://aavegrants.mirror.xyz/)それぞれでMirrorを使っていて、先日本ブログで紹介した分散型アプリケーションについて学んでトークンをもらえるRabbitHolehttps://rabbithole.mirror.xyz/)もMirrorを使っています。

AaveやRabbit Holeに続く形で、分散型サービスが旧来の中央集権型のメディアプラットフォームではなくMirrorのような分散型のプラットフォームを使う流れができるかもしれません。Mirrorをどのようなクリエイターやプロジェクトが使っているのかを俯瞰するには、過去のWrite Raceの勝者のリストを見てみるとよいでしょう。

$WRITE RACE — Mirror

 

おわりに

本記事ではクリエイターやプロジェクトがアイディアを共有し資金調達できるメディアプラットフォームMirrorを取り上げました。

報酬を受け取れる分散型のメディアプラットフォームは古くから存在しますが、Mirrorはよりプロジェクトの資金調達に適したプラットフォームと言えそうです。個人が雑多な投稿で暗号通貨を手に入れたいのであれば、Hive.blog(旧Steemit)のようなプラットフォームがあり、実際筆者も長い間Hive.blogを利用しています。一方、明確な目標がある、または資金調達の必要性のあるプロジェクトで、支援を期待できるコミュニティーのあるプロジェクトであればMirrorは有効な選択肢になるでしょう。技術的な知識はあるにこしたことはありませんが、Mirrorにはプログラマーでなくてもトークンを発行し、収益化につなげるためのツールが整っています。

今後、Web3プロジェクトを中心にMirrorがさまざまな形で活用され、新しい資金調達や支援者とのコミュニケーションの可能性を見せてくれるプロジェクトが出てくるか注目したいところです。


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Akiko T.

Akiko T.

エンジニアの経験と情報学分野での経験を活かして、現在はドイツにてフリーランスで翻訳・技術解説に取り組む。2009年下期IPA未踏プログラム参加。2016年、本メディアでの調査の仕事をきっかけにブロックチェーンや仮想通貨、その先のトークンエコノミーに興味を持つ。

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