Blockchain Gaiax 2019

ガイアックスは2015年からブロックチェーンへの取り組みを開始し、以降シェアリングエコノミー領域を中心に取り組みを進め、2019年は特に実りの多い1年になりました。本記事では、2019年のガイアックスのブロックチェーンに関する取り組みを時系列で振り返ります。

 

応援の未来のカタチを作るプロトタイプ「cheerfor」を発表 – 5月

2019年5月、Ethereumのプライベートチェーンを利用した応援の未来のカタチを作るプロトタイプcheerfor(チアフォー)を発表しました。

cheerforは応援をしたという無形の事実を、ブロックチェーンを使って「チア」というポイントとして可視化し、応援された人に貯まっていきます。貯まったチアは、個人や企業からの支援を受ける際にお金のように使えます。また、ブロックチェーンにデータを記録し処理を自動化することで、誰がどのようにチアを利用しているかデータの透明性を担保し、中間搾取をなく100%応援を届けられます。

また、発表当初は投げ銭という言葉を使うこともありましたが、お金ではなく、「応援」を送っているので、誤解を招かないよう投げ銭という言葉を使うことを控えています。

一般に、ブロックチェーンベースのサービスというと、透明性や中間搾取排除によるコスト削減の点でメリットは少なくないものの、ユーザーはウォレットをインストールしたり、サービスで流通している通貨を購入したりする必要があり、利用開始のハードルが高くなりがちでした。ブロックチェーンや仮想通貨特有の概念は理解しやすいものではありません。cheerforでは広く一般に使われているTwitterとの連携などを駆使し、ブロックチェーンを利用しながらも多くの人が利用しやすいサービスを目指します。

現在、ガイアックスでは来るべき個人が主役の時代を視野に、cheerforのローンチに向けて実際にサービスを使ってみることができる体験会やインタビューなどを行い検証と開発を続けています。

 

Libraを使ったプロトタイプの開発開始 – 7月

2018年年初の投稿でFacebook CEOのMark Zuckerberg氏が仮想通貨や分散型システムに興味を示しました。その後、2018年5月に研究チーム発足の報道などはあったものの、Facebookの仮想通貨構想は秘密裏に進められてきました。Zuckerberg発言から約1年半後の2019年6月、Facebookは独自通貨Libra(リブラ)を発表しました。Libraは大きな注目を集める一方、法定通貨の発行元である国の中には懸念を示す国も少なくありません。Libraについては現在も議論が続いています。

ガイアックスではLibraの可能性に着目し、発表後間もなくLibraを使ったプロトタイプの開発を始めました。ガイアックスがLibraを使った開発を始めた理由は、現在の多くの仮想通貨は価格の変動が大きく決済には使いにくいという課題に対し、価値が安定したステーブルコインの形をとるLibraが、価格が安定し広く使われる仮想通貨となる可能性があり、スマートコントラクトを使った決済体験の拡大、特にシェアリングエコノミーへの応用が期待できるからです。また、ガイアックスはソーシャルメディアの事業を多数展開しており、Facebookが手掛けているという点で、ソーシャルメディアとブロックチェーンの組み合わせに、シェアリングエコノミーへの展開の可能性もあり、着手に至ったという経緯があります。

今後はプロトタイプのソースコードをオープンソースソフトウェアとして公開し、Libraを使ったサービス体験を形にしていくことを目指します。

 

ブロックチェーン用語集出版 – 9月

ガイアックスでは2016年3月に本ブログBlockchain Bizを開設し、ブロックチェーンを支える基礎技術やブロックチェーンを利用したサービス、業界ごとの利用動向などを発信してきました。

2019年4月には本ブログで解説してきたブロックチェーンに関する用語を同人誌としてまとめ、技術書の即売会技術書典にて頒布しました。その後、インプレスR&D様から商業書籍として刊行することとなり、9月に『基本用語から最新規格までをわかりやすく〜ブロックチェーン用語集 』が出版されました。ブロックチェーンについて理解を深める上で知っておきたい概念をわかりやすく解説しています。

ブロックチェーン最新用語をこの1冊に!『基本用語から最新規格までをわかりやすく〜ブロックチェーン用語集』発行 技術の泉シリーズ、9月の新刊|株式会社インプレスホールディングスのプレスリリース

 

cheerfor、異能vation ジェネレーションアワードにノミネート – 10月

2019年10月には、本記事冒頭で紹介したcheerforが、総務省が主催する「異能vation ジェネレーションアワード」にノミネートされました。cheerforで「お金を使わない応援・マーケティングの仕組み」を作ったことが評価されました。
※ 異能vationプログラムは、ICT分野での大きなインパクトのある技術課題に挑戦する取り組みを総務省が支援するプログラムです。

ブロックチェーンを使ったサービスではありませんが、異能vation ジェネレーションアワードではcheerforがノミネートされたほか、ガイアックスからはシェアリングエコノミーで農業の課題解決を目指すシェアグリが企業特別賞を受賞しました。

 

おわりに

本記事では、2019年のガイアックスのブロックチェーンに関する取り組みをニュースをもとに紹介しました。2015年にブロックチェーンの可能性に魅了されてから早いことに4年が経ちます。この間、ブロックチェーンに関する取り組みを進めてきて、2019年はこれらの取り組みが結実し始めた1年になりました。

ブロックチェーンや関連技術は透明で公平な真のシェアリングエコノミーを実現する上で欠かせない要素だと考えています。今後もcheerforやLibraを使ったアプリケーションをはじめ、ブロックチェーンを使った開発とサービスの検証、情報発信に努めていきます。どうぞご期待ください。

Aram Mine

Gaiax技術マネージャ。研究開発チーム「さきがけ」リーダー。新たな事業のシーズ探しを牽引。2015年11月『イーサリアム(Ethereum)』 デベロッパーカンファレンス in ロンドンに参加しブロックチェーンの持つ可能性に魅入られる。以降ブロックチェーン分野について集中的に取り組む。

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