株式会社ガイアックス(所在地:東京都千代田区、代表執行役社長:上田祐司、証券コード:3775、以下ガイアックス)は、Facebookが開発を進める独自の仮想通貨「Libra(リブラ)」を決済手段とした、マーケットプレイスアプリケーションのプロトタイプ「FLIBRA(フリブラ)」を開発し、オープンソースソフトウェア※1として公開しデモサイトをオープンしました。
FLIBRAは、スタートアップスタジオ※2における新しい事業の創出や、更に新たな技術活用に向けた探索の足がかりとなるプロトタイプです。ガイアックスは、「ブロックチェーンの技術で進化したシェアリングエコノミー」のいち早い実現を目指すだけでなく、ブロックチェーンや仮想通貨を使ったアプリケーションの開発者向けに知見共有や技術貢献もおこないます。
※1:利用者の目的を問わずソースコードを使用、調査、再利用、修正、拡張、再配布が可能なソフトウェア
※2:同時多発的に複数の企業を立ち上げる組織
目次
ブロックチェーンがシェアリングエコノミーにもたらす可能性
ガイアックスは、個人の所有するモノやスキルを他人と共有する「シェアリングエコノミー」が、更に広まっていくと考えています。それはつまり、個人が経済活動の主役へとシフトしていくことの予測でもあります。現在のシェアリングエコノミーでは、個人が経済活動の主役となるに際し、モノの貸し借りやサービス提供などの個人間契約を、AirbnbやUberといった第三者のプラットフォームが間に立ち円滑にしてきました。
ブロックチェーン、そして契約を書き記すスマートコントラクト※3は、この第三者の立ち会いを無くしうる技術として注目されています。更にはコストダウンや信頼性の向上、シェアリングエコノミーを活用したサービスの需要の増大までもが期待されています。
Libraの実用性が高まれば、スマートコントラクトを活用したアプリケーションの実用化へと前進し、その結果としてシェアリングエコノミーの発展にも繋がると考えています。
※3:契約の自動化であり、契約の条件確認や履行までを自動的に実行することができます
仮想通貨決済の課題を解決するかも知れないLibraの可能性
ビットコインを代表とした仮想通貨は、相場による価格変動が大きい上、決済手数料の高さがネックとなり、決済手段として幅広く普及するにはいたっていません。これに対し、Libraはドルやユーロなどの法定通貨に対して価格の安定した「ステーブルコイン」の一種です。大量の法定通貨や、国債などの現金に近い資産を裏付けとしており、これまで課題となっていた、大きな価格変動を抑制する仕組みを持ちます。加えて、フェイスブックから分離された非営利団体であるLibra協会がLibraの運営管理をすることで、仮想通貨としての信頼性を高めようとしています。
ステーブルコインとなる仮想通貨が実現されれば、決済の利便性が格段に高まるため、広く一般に普及する可能性があると考えます。そして、決済手段として現実的となったLibraがスマートコントラクトで取り扱われることで、シェアリングエコノミーにとって大きな進化の可能性が開花すると期待しています。
「FLIBRA」は、Libraを決済手段として活用したマーケットプレイスのアプリケーション
今回開発した「FLIBRA」は、メルカリに代表されるマーケットプレイスのアプリケーションのプロトタイプです。シェアリングエコノミーにおける基本的なサービス形態を実現したことで、仮想通貨Libraによる決済をわかりやすい形で実際に体験することを可能にしました。2020年2月現在Libraを使ったプロトタイプは、ほとんど存在しないため、「FLIBRA」は現実的なLibraによる決済体験ができる貴重なプロトタイプです。また、現在も開発が続いているLibraの仕様変更にあわせ、FLIBRAも随時アップデートしていく予定です。
「FLIBRA」の持つ機能
1.不用品の出品
2.購入の申し込み
3.Libraを使ったエスクロー決済※4
4.レビュー(商品や取引の評価・レーティング)
※4:取引中の間は金銭は預けられ、取引が完了するまで金銭の移動を確定しない安全な決済方法
出品、購入申し込みから、Libraを使ったエスクロー決済、そしてレビューの機能を実装し、マーケットプレイスのアプリケーションとしての、最小構成を実現しています。この最小構成を実現したプロトタイプ「FLIBRA」をオープンソースとして公開することで、世界中のLibraの開発コミュニティ、そしてブロックチェーンの技術的な発展に貢献することを目指しています。結果として、Libraがより一層使いやすい通貨になっていくことへも貢献できると考えています。
また、プロトタイプ「FLIBRA」がマーケットプレイスの最小構成を実現しているもう1つのメリットとして、Libra決済のみならず、ブロックチェーンやスマートコントラクトを使ったビジネスアイデアを最速で形にすることを可能にしました。今後のブロックチェーンを使った開発が円滑に進むことを期待しています。
最速の開発を実現したスタートアップスタジオと開発体制
「人と人をつなげる」をミッションとして掲げているガイアックスでは、AirbnbやUberなどに代表されるようなシェアリングエコノミー(CtoC)事業の新規立ち上げに注力しています。
若手を中心とした新しい未来を創りたい人を支援し、初期の事業検証から、出資後の経営支援までおこなう組織が「Gaiax STARTUP STUDIO」です。ガイアックスのスタートアップスタジオは、リーンスタートアップをベースとして同時多発的に複数の新規事業を起ち上げていきます。
この若手中心とした事業開発体制を「FLIBRA」の開発体制にも活かし、インターンを中心とする若手による最速での開発を可能にしました。
左から峯荒夢(ブロックチェーン担当)、荒巻陽佑(インターン)、中山貴幸(インターン)、佐々木喜徳(技術開発本部長)
荒巻陽佑(インターン)
「プロトタイプの開発は自分にとってはとてもチャレンジングでした。ある程度形のあるアプリケーションの開発は初めてでしたし、また、Libraは発表されたばかりなので、一から自分で調べる必要もありました。ですが、メンバーから適宜必要なアドバイスを頂けたのでスムーズに開発をおこなうことができました。引き続きLibraに限らずブロックチェーンを使ったアプリの開発、特にパブリックチェーンでの開発もおこなっていきたいです。」
中山貴幸(インターン)
「プロトタイプとして、特定のニッチな技術に依存しないように設計やコーディング、レビュー等を行いました。公開するプロトタイプとして実際のプロダクトとは異なる課題があり、新鮮な気持ちで取り組むことができました。ブロックチェーンの最先端を走るガイアックスで、このようにチャレンジングな実装に関われたことは非常に良い機会となりました。ビジネスに近い実践的なブロックチェーンのノウハウを吸収できるのは、ガイアックスにおけるインターンの魅力の一つだと思います。」
ガイアックスではこのような新しい取り組みに挑戦したいインターンをサポートし、常に募集しています。
ガイアックス採用ページ https://www.gaiax.co.jp/careers/
■参考URL
FLIBRAデモサイト(デモサイトはパソコンでの利用を推奨します) https://flibra.gaiax-blockchain.com/
FLIBRA使用方法 https://medium.com/@gnx.vw903/flea-market-using-libra-and-ethereum-c063e5e5723c
Gaiax STARTUP STUDIO https://www.gaiax.co.jp/about/startup-studio/