5/2〜5/4にかけてニューヨークで行われた、Consensus 2016 に参加してきました。
Consensus 2016は、CoinDesk社主催のイベントで、ニューヨークのタイムズスクエアのすぐ横のマリオットホテルで行われました。世界40カ国以上から1300人以上が集まり、120人以上のスピーカーが、”MAKING BLOCKCHAIN REAL”をテーマに、BlockchainやBitcoinについて話す、という熱いイベントでした。
Consensus 2016 Hackathon
イベントに先駆けて、Consensus 2016 Hackathon が行われました。
Blockchainを利用した課題解決を考え、プロトタイプを実際に作ってみて発表する、というイベントでした。スマートコントラクトをどのようにビジネスに応用するかが主要なテーマとして挙げられ、保険やIoT、エネルギーなどの分野への応用が注目されていました。
優勝者はDecentralized Energy Utility で、スマートメーターのアイデアでした。以前のEthereumのHackathonでも、スマートメーターのアイデアが受賞しており、エネルギー分野へ応用は期待が高まっています。優勝チームは、そのまま翌日のConsensusイベントでブース出展しており、ビジネス化へのスピードの速さに驚きました。
私達が提出したアイデアは、SmartAirbnbと題して、スマートコントラクトを利用して、シェアリングサービスのホストが設定している価格を、ホストとゲスト両方で調整しあう、というものでした。受賞には至りませんでしたが、CoinDesk社のHakcathonレポートに載せていただきました。
Reimaging Identity x Personal Security
Consensusのイベントの中で特に注目していたのはIdentityに関するトークでした。このセクションでは、ShoCard, Civic, uPort, Netki, Case のそれぞれのサービスの立場からIdentityについて語られました。
今後Blockchainが応用できる分野を広げていくにあたって、Identityの課題は避けて通れない、という問題提起から始まり、どのようにその課題を解決していくのかを議論されていました。各社どのようなデータをBlockchainに入れているのか?という質問が上がり、返答はそれぞれでしたが、データのポインタ、もしくはハッシュを入れている企業が多いように感じました。
一般レベルまでBlockchainが普及するためには、現在のUXを改善する必要があるとも語られていました。特にユーザがPrivate Keyを安全に保管するということに苦労しており、その点の改善が求められています。生体認証システムなどの連携も可能性に入るのではないかと思います。
Identityと、Bitcoinのもつ匿名性やプライバシーとの関連ついても語られました。ユーザがデータをコントロールし、プライバシーを守る。一方で、企業としてデータをセキュアに保存する、という2つの役割について話されていました。
Identity、と一口に言っても、それぞれのサービスがカバーする範囲が分かれている、という構造の話もありました。Identityというのは、あなたは誰?ということ。その上にAuthorizationが載り、例えばクレジットカードを使うことができるのか、などのチェックが入る、という構造だという話があり、非常にためになりました。
まとめ
Consensus 2016では、企業の規模、出身国、役職に関わらず集まり、いかにBlockchainを使ってそれぞれの課題を解決するかについて語られていました。
「Blockchainで何かを生み出すには、テクノロジーと金融の少なくとも2つ以上の分野を模索して勉強し続けなければならない」とDeloitte社のマネージャーが仰っていましたが、自分自身も周りの人も、まさに模索し勉強して課題解決しようという方々ばかりで非常に刺激を受けました。
「Blockchainでイノベーションを起こすには、Blockchain企業同士のパートナーシップ、既存企業とのパートナーシップを組むことも大事だ」という話もありました。参加者同士でディスカッションがされているのを目の当たりにし、まさにこの場から、新たなビジネスが生まれていくのだなと感じました。