今までは「活動報告」として記事を書いてきましたが、その言葉だと少し硬い印象を抱いたので、今月からは「ニュースレター」に変更し、Blockchain Biz Community内で共有された記事の考察やイベントの報告していきます。これを機に多くの方に本記事が届くことを願っております。
4月は引き続きNFTの話題が多かったですが少し落ち着いてきたように見受けられます。コミュニティー内でもNFTの勉強会を開催しましたが、NFTはまだ大きな可能性を秘めてると感じています。NFTバブルが落ち着いてよりユニークなNFTサービスが創出されることに期待しています。
4月の記事
Blockchain Biz Community内で共有された記事で、個人的に面白いと感じたものをピックし考察を書いていきます。
目次
4/5 Do You Really* Own Your NFT? Chances Are, You Don’t
NFTと紐づくコンテンツの所有権に関する考察記事です。NFTは簡単に説明すると所有権を証明するツールであって、NFT自体にはコンテンツのデータは保存されていません。多くのサービスでは、NFTのコンテンツデータは中央集権的なサーバー(特定の企業のサーバー)で管理されており、この管理者がいなくなるとNFTを所有していてもコンテンツが見れなくなることが問題として挙げられています。例えば、NBA Top shotのスーパープレーのNFTを持ってたとしても、NBATopShotの運営がなくなってしまったらそのプレーも見ることができなくなってしまいます。
これらの解決策としてIPFSなどの分散ストレージ移行していくことが挙げられていますが、IPFSはノードに対するインセンティブがないため、データの永続性に問題があるなど、NFTのコンテンツの保存先に関する課題は簡単には解決しないと指摘されています。
個人的にはIPFSを使ってサービスを開発している企業がIPFSのnodeを建てる事が当たり前の時代が来ることに期待しています。IPFSを使っている企業からしたらIPFSのノード数が増えネットワークが強固になることは企業にとってもメリットになるはずです。加えて、開発者目線からするとIPFSは使い勝手がいいので、IPFSの更なる発展を願っています。
4/7 角川ドワンゴ学園N高等学校、「ブロックチェーン卒業証書」を発行
ブロックチェーンで証明書を発行するLasTrustのサービスを利用して、N高が卒業証明書を発行したという記事です。証明書の管理は発行者側も受領者側からしても大変なものであるので、耐改竄性の高いブロックチェーンを活用して管理するのはいい事例ですね。
4/11 NFTのミドルレイヤーとその活用法に関する記事
NFTは購入後の使い道が少なく、一度購入しただけでその後の動きがあまりない事は、NFTの課題として挙げられてました。そのような課題を解決するために、NFTのミドルレイヤーサービスが増えてきました。下記、代表的なサービスを紹介します。
・NFTX:NFTに対してインデックス投資をできるようにしたもの
・NFT20:特定のNFTをERC20に変換しDEXで取引できるようにしたもの
・NIFTIX:NFTをより柔軟に分散所有できるサービス
・NFT42:NFT関連のnocodeツール
これらのサービスを直接は利用してはいませんが、NFTを細分化すると言う同じ様な仕組みを活用しており、NFTの新しい利用の仕方として興味深い事例があったので合わせて共有します。
その事例は、あらゆるものをトークン化して販売するZoraというサービスと連携したNFTのクラウドファンディングの事例です。今回はブログの記事をNFTとして管理し実験を行っていました。概要は下記の通りです。
・執筆予定のブログ概要をNFTにして、そのNFTを$VALUEとして販売($VALUEは分割されたNFTのオーナー権)
→$VALUEの売上がクラウドファンディングの売り上げになる
・執筆が終わったらブログNFTをZoraで販売
・$Value保持者はNFTが再販されるたびに10%の利益を得る
ブログの執筆権をNFTにして販売し、執筆者は支援金として売り上げを受け取り、支援者側は記事の所有権を分散して所有するものになります。今回は、ブログのクラウドファンディングの事例でしたが、アートや本、ゲームなどにも応用可能と思います。ただ、これらのことを日本で行うには法律の観点から難しいとの指摘も有識者からいただきました。
このようなNFTを活用した事例は他の分野でも応用できると思うので、引き続き追っていきたいです。
4/20 AsyncArtがAsyncMusicのサービスを開始
レイヤー別に絵画を管理できるAsyncArtが音楽のサービスも始めました。AsyncArtと同様に分散して一つの楽曲を所有し、それぞれの所有者が楽曲を変更できるようです。また、AsyncMusicの追加要素として、音楽の請求権をERC1155で購入し、任意のタイミングで楽曲をERC721に変更できる機能があります。分散して一つの音楽を所有できるという特性上、他の人の変更により所有している音楽が自分の趣向に合わなくなる可能性は十分にあり得ます。その対策として、ある特定の気に入った時に、その絵画や楽曲をNFT化するのはいい解決策だと感じました。
NFTに関するアイデア
余談になりますが、コミュニティー内でNFTに関するアイデアが共有されたので、この場で簡単に簡単に紹介します。
・NFT化された領収書サービス
・zoomの入室判定をNFTで管理
・寄付の返礼にNFT
・チャリティーNFT
などなど、これ面白い!やってみたい!などありましたら気軽にお声がけください!
4月 イベント報告
4月は3つのイベントを開催しました。
4/8 ブロックチェーン事例講座「NFTの活用事例」
定期的にブロックチェーンの活用事例講座を開催しており、今回はNFTの事例集を紹介しました。講座の簡単なまとめは個人のtweetにもまとめてるので、興味のある方はご覧になってください。
https://twitter.com/_ywzx/status/1377567354012327946
また、イベントの参加者にNFTを配布できるサービス「POAP」を利用して、講座の参加者にはNFTを配布しました。NFTを所有する感覚は、形容するのが非常に難しいですが、今までにない新しい感覚でした。
参照:https://app.poap.xyz/token/124180
4/27 【Zoom】ブロックチェーンアプリ開発基礎講座③
「nuxt.js firebase PWAで始める「ブロックチェーンアプリ開発」」の内容にそって、ブロックチェーンの開発手法を学ぶ開発講座を開催しています。今回で3回目の講座になり、講座の内容も終盤に近づいてます。
全コンテンツ終了後に、受講者のみなさんが新しいサービスを創出される事に期待しています。
4/23 NFT事業アイデアピッチ
ガイアックスメンバーがNFTの事業アイデアを持ち寄りピッチして、ガイアックスが次に取り組むNFTの事業を決めていくミーティングを公開して行いました。シェアエコ、CtoC、マッチングの領域で事業を行うガイアックスが投資判断できるスタートアップ事業にすることを目的として開催しました。
さまざまなアイデアを持ち寄り議論した結果、寄付などを募るリボンをNFTで販売するアイデアを事業化するべく、仮説検証をスタートする事に決定しました。
LPを使った事業検証、ユーザーヒアリング、技術的なフィージビリティの検証などを行っていき、事業化までの過程を随時公開していく予定です。
終わりに
年末からの暗号資産の慢性的なバブル、NFT市場の急速な発達によりブロックチェーンも少しずつ世の中に浸透しつつあります。また、Ethereum Mainnetのガス代が高いことの課題などからLeyer2やサイドチェーン、その他の独自チェーンなど、インフラ周りの開発も活発になり利用数も増加してきています。
これから2~3年でまた大きく動きそうですね。ブロックチェーン業界はまだまだ歴史が浅く、今からでも活躍できる余地が十分にあります。ブロックチェーンで何かやりたい方はぜひご相談ください。