ビットコインでは、7月10日前後に半減期(halving)というものを迎えます。半減期とは、マイナーがマイニングに成功した時(すなわち、ナンスを見つけた時)に貰える報酬が、半額に落ちる時期のことをいいます。現在マイング成功報酬として、25BTCが支給されていますが、これが12.5BTCに減ります。今回はこの半減期について少し解説いたします。
半減期とは
半減期は、およそ4年に1回やってきます。2009年にスタートしたビットコインでは、2回目の半減期になります。ビットコインでは210,000ブロックごとに半減期が訪れる事になっています。ビットコインでは、ブロックの確定は10分程度になるように自動的に調整が入る仕組みになっています。1ブロック10分で210,000ブロック分はおよそ4年となるため、およそ4年に1回程度半減期を迎えることになります。
しかし前回の半減期は2012年11月28日だったので、3年8ヶ月ほどと、少し短い間隔で半減期を迎えることになりそうです。これは、マイニングに参加するコンピューターのパワーや台数の変動により、ブロック確定の時間が前後する事があり、結果として早まるということが起こりました。
半減期の影響
半減期が訪れると、一番影響を受けるのはマイナーです。マイニング成功報酬が単純に半分になるからです。これを受けて、予想される動きが2つあります。
1つはマイナーが報酬減を理由に、マイナーがマイングをやめてしまうことです。マイニングには非常に多くのコンピューターパワーと電力を消費するので、それを上回る収入が必要です。収入が半分になると、収支が合わなくなることが予想されます。また、一度に多くのマイナーがやめてしまうと、ビットコインを欲しいと思う人が減るために、ビットコインの価格が下がってしまいます。加えて、マイナーが減ることにより、マイナーの総数も減るため、51%問題が起こりやすくなり、ブロックチェーンの乗っ取りの危機にもさらされます。この結果、安全性が損なわれるということで、更にビットコインの価値が下がり、価格下落が起こるという悪循環も想像できます。
もう1つは、ビットコインの価値が上がることです。例えば、半減期前は1BTC 5万円だったとすると、半減期後に1BTC 10万円になれば、マイニング報酬は実質減額しないことになります。実際にそんなことが起こるかというと、ビットコインと法定通貨の交換価格は株式と同じように需要と供給のバランスで変わるため、市場の動き次第ではあり得る話になります。ビットコイン所有者が価格上昇を期待してビットコインを売ることを止めてしまうと、ビットコインを買いたい人が買えなくなってしまいます。買いたい人の方が多いと、ビットコインの価格は上昇します。この原理を利用して、マイニング報酬の価値を保ちたい人や、ビットコインを保有していて高く売りたい人が値段を上げる動きをすることが想定されます。こうなると、マイナー以外のビットコインを保有している人にも、保有しているビットコインの価値が上がるため、利益が期待できます。
過去の半減期
では、2012年11月28日の半減期で何が起きたか見てみましょう。取り方によっていろいろありますが、1ヶ月前に上昇が始まって、3割増しくらいになったと取れるのではないでしょうか。
最後の半減期
半減期のたびに報酬が半分になると、最終的には限りなくゼロに近づきます。ビットコインの最小単位は、0.00000001BTCで、それを迎えるのが32回目の半減期です。そして、33回目の半減期でマイニングによる報酬はゼロとなります。しかし、100年以上先の話なので、それまでビットコインが同じルールで動いていないかもしれません。
それでは7月10日前後のビットコインの相場を注目してみてください。