こんにちは!GaiaxのWebエンジニア、白木です。
Gaiaxでは、新たな取り組みとして『シェアリングエコノミー』という事業領域においてビジネスを行っていることと並行して、技術分野において『ブロックチェーン』を新たに取り組んでいます。
今回は、ブロックチェーンに対する取り組みの1つとして、社内勉強会を開催したこと、ブロックチェーンの仕組みを説明したポスターを制作したことについて、お話します。
Blockchainゼミ
Gaiaxでは、エンジニアがブロックチェーンに対して以下の3つの方針を掲げて取り組みを進めています。
「技術蓄積」
ブロックチェーンとその周辺分野について、継続的に知識・技術の収集と蓄積を行っていきます。
「サービスの発案と実装」
ブロックチェーンにより実現できることから新たなサービスを発案し、実装し、取り組んでいきます。「個人の認証」「少額決済」「スマートコントラクト」といったキーワード、領域に意欲を持っています。
「オープンソースコミュニティへの貢献」
実装技術や有用なライブラリなど、ブロックチェーンの領域においてもOSSコミュニティが活発に活動しています。エンジニアとの交流、利用のフィードバック、ソースコードへのコミットなど、OSSコミュニティの活動に参加し、貢献していきます。
(Gaiax企業サイトより引用)
ブロックチェーンという技術をサービスに実用するところ、エンジニア目線で言えばブロックチェーン技術を用いて応用的に実装できるようになるためには、ブロックチェーンという技術そのものを理解できていないと実装はできません。ブロックチェーンに関する知識を得ていくことが必要です。
また、Gaiaxのエンジニアは元はWEBを主体としたエンジニアリングをしてきていたわけで、深い理解を持つエンジニアがいたわけではありません。
そこで開催したのが「Blockchainゼミ」でした。※1
Blockchainゼミは、エンジニアの中から有志で集まったメンバーで、ブロックチェーンに関する理解・知識・経験を持ち寄って発表するという参加型のゼミです。
各人の調査テーマは、ブロックチェーンの理解を目標に、技術的な部分だけにこだわらず、メンバーが疑問に思ったことを調査する形で設定しました。
取り上げたテーマを一部ご紹介します。
仕組みの部分や、実際に世に出ているBitcoin、Ethereum関連のライブラリを触ってみること、ブロックチェーンを使ったサービスの調査など、広く行いました。
ポスター
Blockchainゼミの成果物として「Blockchainの仕組みと魅力」と題したポスターを制作しました。
こちらのポスターのPDFデータのダウンロードはこちら
これは、
・Blockchainゼミで得られた知識を、参加していない社内メンバーに共有すること
・ブロックチェーンにどのように取り組んでいるのかの見える化
・ポスターという社内のメンバーに見えやすいツールを使って、全社をあげてブロックチェーンに対する取り組みの気運を高めるため
といった意図があり、制作に至りました。
ブロックチェーンという技術はまだまだ社内メンバーには馴染みがなく、ブロックチェーンの技術自体新しい概念であるため、エンジニアであってもおおよその仕組みを理解している人も少ない状況です。まして、非エンジニア職の社員にとっては概要すら理解するのが難しいと個人的には思っています。
そうした経緯もあり、このポスターはブロックチェーンについてよくご存知の方にとってはやや物足りない内容かもしれませんが、非エンジニア・エンジニアの両方にとってわかりやすく伝えるところに重点をおいた内容にしました。
ポスターにある5つの見出しは、以下のような意図があります。
Blockchainの概要
ブロックチェーンについてをわかりやすく簡単に説明する
Blockchainの歴史
ブロックチェーンの世界的な盛り上がりを全体感もって伝えるために歴史を使って紹介する
Blockchainの仕組み
ブロックチェーンの動作の仕組みを、Bitcoinブロックチェーンを例に説明する(ややエンジニア向け)
Blockchainの魅力
ブロックチェーンが持つ利点を、サービスを例として紹介する
なぜGx?
なぜ我々がブロックチェーンに取り組むのか、その意義と今後の取り組みを紹介する
ポスターをBlockchainに記録
少し余談ですが、このポスターがこの世に存在していたことを証明するために、Proof of Existenceというサイトを用いて、ポスターが存在していたことを証明してみました。
以下のURLはBlockchain.infoから見るトランザクションの詳細ページです。
(ページ最下部にあるOutput Scriptsの項目で 、”DOCPROOF〜”の後続で文字化け表示されているのがこのポスターのデータをハッシュ化した値です。)
仕組みとしては、このポスター(PDF)のデータをSHA-256でハッシュ化して16進数に変換した64文字のハッシュ値を生成、そのハッシュ値を出力の OP_RETURN に格納してトランザクションを生成するという流れです。
これで、このポスターのPDFデータがこの時点で存在したことはビットコインのブロックチェーン上に永遠に残ることになります。
本当に上記のトランザクションが持つハッシュ値が、このポスターのデータなのかどうかを確認したい場合は、上記からこのポスターのデータをダウンロードして、Proof of ExistenceにダウンロードしたファイルをアップロードしてみるとトランザクションIDが表示されると思います。
(このPDFのデータを少しでも変更すると、既にBlockchainに載せられた同じファイルは存在しないとして、新しくトランザクションを作りにいくことも確認できます。)
最後に
これまで、社内向けにBlockchainゼミを開催したこと、ポスターを制作したことを紹介してきました。
世の中にはよりブロックチェーンをわかりやすく説明している記事やスライド※2がありますが、我々がBlockchainゼミ等で学んだことでもって自分達の言葉で説明しています。
このポスターが本記事を読んでくださった皆様の学びにつながれば幸いです。
脚注
※1. 知見を得る取り組みはこれだけではなく、Blockchainに関連する著名人を集めて開催した [ブロックチェーンサミット](https://gaiax-blockchain.com/) 等があります。
※2. 例えば http://pomvisual.com/bitcoin/ など。