「ブロックチェーンの非金融分野への応用について」と題して、7月1日、5日に開催した報道機関向けのブリーフィングレポートの第2回です。
目次
ブリーフィングの概要
テーマ
ブロックチェーンの非金融分野への応用について
アジェンダ
ブロックチェーン技術の基礎知識(前回)
エストニアの電子政府IDとブロックチェーンの取り組み
日本で行われているブロックチェーンの非金融分野の実証実験
ブロックチェーンの非金融分野への応用について
ブリーフィングの後半は、当社の菊池梓が説明をいたしました。
エストニアの電子政府IDとブロックチェーンの取り組み
菊池:エストニアでは100万人分を超える医療データをブロックチェーン技術で記録・保存するためのプロジェクトを開始しました。医療データという非常にナイーブな情報をブロックチェーンに載せても大丈夫なのかとお考えの方もいらっしゃるかと思います。ビットコインやイーサリアムといった仮想通貨サービスにブロックチェーン技術を用いる場合はすべてのデータが誰でも見られるようになっていますが、エストニア政府の事例では暗号化技術と組み合わせることで患者さんや特定の人だけが医療データを閲覧できる仕組みとなっています。
菊池:また、ウクライナでは電子投票システムにブロックチェーン技術を利用するべく、開発を進めています。ブロックチェーン技術により、選挙管理の人員が不要になるだけでなく、不正の防止・透明な選挙をおこなえるようになります。
日本におけるブロックチェーンの非金融分野で取り組み事例
菊池:まだ数は多くありませんが、日本でも非金融分野へのブロックチェーン技術の応用は模索されています。
菊池:今回は当社が取り組んでいる「デジタルID」についてお話します。日常生活の中で、お買いものやサービスを利用する際に会員登録をおこなう、ということがよくあるかと思います。登録する人にとっては「面倒くさい」「登録作業が手間」「管理するIDが増え続ける」といった悩みの種です。
また、事業者側にとっても、情報漏えいのリスクにさらされてしまいます。会社さんによっては、その個人が特定できれば問題ない程度の情報しか欲しくない場合もあるでしょう。しかし、個人情報を取得した以上は、セキュリティ対策に十分な予算を裂かなければいけません。
菊池:つまり、今の会員登録システムは個人・法人の両方にとってベストではありません。我々はブロックチェーン技術を活用して、新しい本人確認の方法を確立します。複数の会社・サービスを横断して使用できる身分証確認のプラットフォームをブロックチェーン技術を使って提供いたします。信頼のおける会社さんが一度認証した会員データは、他の会社さんのサービスでも同じように利用できるというものです。これにより、会社単独で会員データを管理せずともサービスの立ち上げ、展開が可能になります。初期投資やランニングコストの圧縮に非常に大きなインパクトとなります。実証実験が完了した際にはまたお知らせをいたします。
ブロックチェーン、実現に向けてのハードル
菊池:技術的に新しいため検証が必要、法整備がされていないなど、ブロックチェーンがサービスとして展開されるために解決しなければいけない点はいくつか残っています。一方、ブロックチェーンにおけるグローバル競争では、日本は官民連携が強力と言われています。
それは当社も参画している日本ブロックチェーン協会(JBA)が官庁と連携して、ブロックチェーン活用に向けた制度制定に向け、かねてから活動してきたからにほかなりません。引き続き当社はブロックチェーン技術の活用のため邁進してまいります。
ガイアックスでは報道関係者向けの小規模勉強会を開催しております。参加をご希望の方はお問い合わせページまでご連絡ください。