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DeFi、NFT、DAO、Web3.0など、暗号通貨に詳しくない人でも暗号通貨に関連するこれらの用語を見聞きしたことがあるかもしれません。暗号資産が浸透すると、組織はさまざまな資産を持つようになります。このような状況でマルチシグ、DeFi、NFTなどに対応したGnosis Safeはデジタル資産管理において重要ツールになる可能性があります。本記事ではGnosis Safeを開発するGnosisから始め、Gnosis Safeについて説明します。

 

Gnosisとは

Gnosisは2015年に老舗のブロックチェーン開発スタジオConsenSysのプロジェクトとして誕生し、2017年に企業として独立しました。ConsenSysの創業者であり、Ethereuemの共同創業者でもあるJoseph Lubin氏もGnosisの共同創業者として名前を連ねています。

Gnosisは当初Ethereumブロックチェーン上の予測市場を開発していましたが、現在は分散型のトーレーディングプロトコルと分散型の資金管理ソリューションの開発を進めています。本記事で紹介するGnosis Safeは後者にあたります。

Gnosisは2017年の仮想通貨ブームが始まる前の2017年4月のICOで当時としては巨額の12.5百万ドル(2022年10月現在の為替レートで約18億円)を集め、2020年から2022年にかけて複数のベンチャーキャピタルから100百万ドル(約145億円)を調達しました。Gnosisのウェブサイトによると、従業員は60人以上とのこと。Gnosisはスタートアップの域を超えて成長している企業といってよいでしょう。

 

Gnosis Safeとは

Gnosis SafeはGnosisが開発するマルチシグに対応したデジタルアセット管理プラットフォームです。

Gnosis Safe Overview

Safeという英単語は「金庫」を意味し、GnosisはGnosis Safeを「複数のブロックチェーンで稼働しているスマートコントラクトウォレット」と説明しています。Gnosis Safeはサービスに資産を預けるカストディ型のサービスではなく、あくまで資産を管理するのはユーザーで、Gnosis Safeはマルチシグでの資産の取り扱いをスムーズにします。

ブロックチェーン上で送金をはじめとするトランザクションを実行する際には本人であることを証明するために本人だけ知っている秘密鍵で電子的に署名します。マルチシグ(マルチシグネチャ、複数の署名)とはこの署名を一人だけでなく、複数人でし、予め規定した人数の合意のもとトランザクションを実行するものです。「2-of-3」「2/3」(3つの秘密鍵のうち2つでの署名が必要)のように表されます。
※ マルチシグについて詳しくは本ブログの記事「電子署名・マルチシグ – ブロックチェーンの送金を支える技術」を参考にしてください。

マルチシグを利用することで、単一の担当者の一存で資金を濫用してしまったり、秘密鍵を紛失してしまったりといった事態に備えることができます。一般的に企業では一定額以上の資金を取り扱う場合には個人の一存ではなく、複数人の承認が必要で、デジタル資産についてもこのような仕組みにあたるマルチシグは不可欠です。

本記事執筆時点の2022年10月現在、Gnosis SafeはEthereum(Rinkebyなどテストネットにも対応)、Arbitrum、Aurora、Avalanche、Binance Smart Chain、Gnosis Chain (旧xDai)、Optimism、Polygon上の資産に対応しています。Gnosisは、すべてのEVM互換ネットワークに対応することは難しいものの、Gnosis Safeのコードはオープンソースであるため、必要に応じてそれぞれが対応することを推奨しています。

Gnosis Safeでは単純な送金、NFTの権利に関するトランザクションをマルチシグで管理できるだけでなく、Safe Appを利用してGnosis SafeにDeFiアプリケーションをはじめとする分散型アプリケーションを統合できます。これにより組織の資産をGnosis SafeからシームレスにDeFiアプリケーションで運用できるようになります。

画像: Safe Appの一例(Gnosisのブログ記事より)

画像: Gnosis Apps(Gnosisのブログ記事より)

Gnosis SafeはMetamaskやWalletConnectのウォレットのほか、LedgerやTrezorといったハードウェアウォレットでも利用でき、ユーザーは使い慣れたウォレットでトランザクションに署名できます。

画像: マルチシグでのトランザクションの承認(Gnosis Safeウェブサイトより)

Gnosis Safeの作成にはガス代をはじめとする費用がかかり、費用は署名者となるユーザーの数によって異なりますが、Gnosisの試算に基づいて計算すると、本記事執筆時点で4ユーザーのGnosis Safeを作る場合40ドル(約5800円)ほどの費用がかかります。暗号通貨市場の低迷に伴いEthereumのガス代が落ち着いていることもあり、組織で安全に資産を管理するための必要経費としてとらえられる金額ではないでしょうか。

 

Gnosis Safeの可能性

2020年から2021年にかけて暗号通貨市場が盛り上がったのとともに、NFTやDAO(自律分散型組織)にも注目が集まりました。これまで暗号通貨市場と無縁だった企業がNFTの発行に興味を持ち、興味を同じくする人が集まってDAOが誕生しています。安全な資産管理という観点から特に組織での資産管理にはマルチシグが欠かせません。

GnosisはGnosis Safeとソフトウェアウォレット、Gnosis Safeの前身のマルチシグウォレット、ハードウェアウォレット、中央集権型の取引所を以下の観点で比較しています。

画像: Gnosis Safeとその他の資産管理ソリューションの比較
Gnosis Safeウェブサイトより)

上の表には記載がありませんが、複数のブロックチェーンに対応し、モバイル、ウェブ、デスクトップ、すべての環境に対してサービスを提供しているのもユーザビリティの観点で利点といえるでしょう。

Gnosis Safeは暗号通貨の取り扱いになれた上級者だけでなく、Web3.0やNFT、DAOといった暗号通貨から派生した分野から界隈に足を踏み入れたいわばライトユーザーも含めて組織で安全に資産管理できるインターフェイスをしようとしていると見られます。

Gnosis Safeは数千円でセットアップでき、立ち上がったばかりで予算が少ないDAOなどにも利用のハードルは高くありません。

 

おわりに

本記事では暗号通貨分野で長く活動するGnosisが開発するマルチシグに対応した資産管理プラットフォームGnosis Safeについて説明しました。

現在暗号通貨市場は冷え込んでいますが、Web3.0については一定の興味が保たれているようです。Web3.0を切り口に新しいユーザー層が暗号通貨やブロックチェーンの分野に流れ込むとすると、既存の中央集権型の企業といった組織やDAOではデジタル資産の管理が不可欠になります。

Gnosis Safeは、標準的なウォレットの一つとして地位を築いたMetaMaskを開発したConsenSys出身のGnosisが開発を進めるプロジェクトです。今後、特に組織での資産管理ツールとして利用が進む可能性があり、注目したいプロジェクトです。


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EVMGnosisGnosisSafeMultisigWallet

エンジニアの経験と情報学分野での経験を活かして、現在はドイツにてフリーランスで翻訳・技術解説に取り組む。2009年下期IPA未踏プログラム参加。2016年、本メディアでの調査の仕事をきっかけにブロックチェーンや仮想通貨、その先のトークンエコノミーに興味を持つ。

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