Proof Of Existence Feature
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ブロックチェーンには、一度書き込まれると二度と書き換えられない、そして改ざんに強いという性質があります。これらの性質を利用した、ドキュメントなどの存在を証明する「Proof of Existence」という使い方について紹介します。

 

Proof of Existenceとは

Proof of Existenceは、ドキュメントがある時刻に存在していたということを証明するという機能です。日本語では「存在の証明」や「公証」と呼ばれています。

Proof of Existenceでは、まずドキュメントをハッシュ化します。ドキュメントをハッシュ化することで短い文字列に要約することができます。そのどのドキュメントのハッシュと時刻をブロックチェーンに書き込みます。こうすることで、ブロックチェーンの一度書き込まれると二度と書き換えられない性質を利用することにより、ある時刻にこのドキュメントが確実に存在していたという事実を永久にブロックチェーンに残すことができます。そして、ブロックチェーンが改ざんに強いという性質が、その信頼性を向上させています。ブロックチェーンをこのように使うことにより、ビットコインのようなお金のやり取りだけでなく、ドキュメントの保存や知的財産権の主張、オンライン契約などに応用することができます。

ここで、ドキュメントを要約するためにハッシュ化しているとありますが、ハッシュに関して詳しく知りたい場合は、以下の記事をご参照ください。

ブロックチェーンに必要不可欠な機能「ハッシュ」

 

Proof of Existenceの使い方

とても紛らわしいのですが、このProof of Existenceを利用した「Proof of Existence」というサービスがあります。このサービスはビットコインを持っていれば誰でも利用することができます。以下のURLのトップ画面を開いたら、自分の持っているドキュメントをアップロードします。「Proof of Existence」ではファイルをアップロードするとそのハッシュ値が導き出されます。

PROOF OF EXISTENCE

画像:PROOF OF EXISTENCE

 

ファイルをアップロードしてProof of Existenceを利用する際には、ビットコイン0.005BTC以上を指定されたビットコインアドレスに送信します。ビットコインを送信してしばらくすると「Document proof embedded in the Bitcoin blockchain!」と表示され無事送信完了です。これでビットコインのブロックチェーン上に記録が残ります。

 

画像:PROOF OF EXISTENCE

 

もし、登録したドキュメントの存在の証明をしたい場合は、手元にあるドキュメンのハッシュをとり、導き出されたハッシュ値と、ブロックチェーンに書き込まれたハッシュ値を比較して、この2つのハッシュ値が一致していれば、たしかに当時登録したドキュメントであるということが証明されます。

 

Factom

Proof of Existenceを実現したサービスとして、もうひとつFactomが挙げられます。「Proof of Existence」とは異なり、Factomでは独自のチェーンと通貨「Factoid」 を持っており、独自のブロックチェーン上の記録をビットコインのブロックチェーンに書き込むようになっている、ビットコインブロックチェーンの上のレイヤーに存在するプロトコルです。

画像:Factom

 

Factomも基本的に「Proof of Existence」と同様の原理を利用していますが、 ビットコインのブロックチェーン上にドキュメントのハッシュを直接記録することには、いくつか問題点があるため、それらを回避しています。

まずはコスト面での問題です。ビットコインのブロックチェーン上に直接データを記録する場合には、取引手数料が発生します。大企業や団体がProof of Existenceを利用したい場合には数万単位のドキュメントを記録したいというニーズがあり、この場合ひじょうに多くのコストがかかってしまいます。

次に、ビットコインはブロックチェーン上の承認に平均して10分程度の時間がかかってしまいますが、大量のドキュメントを一度に保存したい場合には、このスピードがボトルネックになってしまいます。さらに、ビットコインのブロックチェーンでは、1秒間に7トランザクションが処理の限界となっており、数万単位でのドキュメントをブロックチェーン上に一気に記録しようとしても、現状のブロックチェーンでは処理が追いつかないというデメリットもあります。

Factomではビットコインブロックチェーンを直接書き込むのではなく、複数のドキュメントのハッシュ値をFactom独自のチェーンに置くことで大量のドキュメントをさばきます。そして、信頼度を上げるために、10分に一度書き込まれたハッシュ値をマークルツリーを利用して1つのハッシュ値にまとめ、ビットコインのブロックチェーンに書き込みます。こうすることで、ビットコインのブロックチェーンに負担をかけずにProof of Existenceを実現しています。

 

Proof of Existenceは権利や契約の証明、またライフログといった様々な記録の保存に役立つ可能性を秘めています。将来的には日常生活に応用される可能性の高いブロックチェーンの利用方法だと考えられています。このProof of Existenceが、社会にどういった変革をもたらすのか興味が湧いてきたのではないでしょうか。

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Aram Mine

Gaiax技術マネージャ。研究開発チーム「さきがけ」リーダー。新たな事業のシーズ探しを牽引。2015年11月『イーサリアム(Ethereum)』 デベロッパーカンファレンス in ロンドンに参加しブロックチェーンの持つ可能性に魅入られる。以降ブロックチェーン分野について集中的に取り組む。

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