2025年第3四半期(7〜9月)、株式会社ガイアックスのDAO(Decentralized Autonomous Organization、自律分散型組織)事業は、地方創生領域での社会実装がさらに加速した期間となりました。同年前半に実施されたDAOの資金調達をテーマにしたセミナー(1月)や「ソーシャル Innovation EXPO 2025」(6月)での成果を踏まえ、Q3では日本初の商店街DAOの始動、その資金調達の進捗報告、そしてテレビ全国放送での紹介と、DAO×地方創生の取り組みが次々と具体的な成果を生み出しています。
本記事では、この期間に発表・報道された主要なプレスリリースおよびニュースを時系列で紹介し、ガイアックスのDAO事業の動向を総括します。
目次
各プレスリリース・ニュースの紹介
1. 日本初の商店街DAO「身の丈ストリート」が香川県三豊市で始動(2025年7月22日)

ガイアックスは、香川県三豊市仁尾町において日本初となる商店街DAO「身の丈ストリート」の始動を発表しました。
仁尾町は、SNSで話題となった「父母ヶ浜(ちちぶがはま)」を擁し、観光客数が約5〜6年間で約100倍に急増、年間約50万人が訪れる人気観光地です。一方で、商店街の空き家問題は深刻化しており、地域住民と関係人口が共に取り組む「新しい商店街のあり方」が求められていました。
本プロジェクトは、空き家のリノベーションとDAOによる共助型運営を組み合わせた地域再生モデルです。ガイアックスはDAO組成・運用プラットフォーム「DAOX(ダオエックス)」を活用し、DAO組成から運営支援までをワンストップで提供しています。資金調達の目標は、約400名のDAOメンバーの募集と総額4,000万円です。
2. 「ぐんま山育DAO」がテレビ東京「ワールドビジネスサテライト」で紹介(2025年9月)

2025年2月に群馬県庁主導で始動した地方創生DAO「ぐんま山育DAO」の取り組みが、テレビ東京の経済報道番組「ワールドビジネスサテライト(WBS)」にて紹介されました。
ぐんま山育DAOは、あまり利用されていなかった山地を活用し、ぶどう栽培と自然派ワイン醸造を軸に産地づくりを進めるプロジェクトです。域外から人(労働力)やお金(投資)を呼び込み、関係人口の増加や移住促進につなげることを目指しています。日本初の地方自治体と連携した「株式会社型DAO」として注目を集めており、全国放送での紹介は、DAOという仕組みが広く一般に認知される契機となりました。
ガイアックスの活動報告レポートによれば、2025年12月末時点の集計で、関係人口は延べ650名、うち現地来訪者数は延べ78名に達しています。バルイベントの運営、苗植え、収穫、圃場管理などの活動に支援者が参加しています。
3. 身の丈DAO、開始1ヶ月で800万円超の出資が集まる(2025年9月25日)

7月に始動した商店街DAO「身の丈ストリート」について、開始からわずか1ヶ月で国内56名から計800万円超の出資申し込みが集まったことが発表されました。直近の目標である2,000万円の達成を目指し、その後計4,000万円の資金調達を進めていく計画です。
オンラインでの説明会を7月下旬から継続的に開催し、県外の関係人口からの出資が集まっている点が特徴的です。後日の報道では、最終的に1,480万円の出資を集め、工事着工に至ったことが報じられています(出典: PR TIMES)。
ガイアックスが支援するDAO(ぐんま山育DAO、PlanetDAO、身の丈DAOなど)の資金調達成功率は100%であることも合わせて公表されています。
- 公式プレスリリース: 三豊の商店街DAO、1ヶ月で800万円の出資集まる!2,000万円の着地を目指す
総括・トレンド分析
2025年Q3のガイアックスDAO事業を俯瞰すると、以下の3つのトレンドが浮き彫りになります。
(1)地方創生DAOの「実装フェーズ」への移行
2024年までのDAOカオスマップ公開やDAOXのベータ版提供といった「基盤整備フェーズ」から、2025年Q3は実際にプロジェクトが動き、資金が集まり、工事が始まるという「実装フェーズ」に確実に移行しています。特に身の丈DAOでは、構想から資金調達、着工までのサイクルが数ヶ月で回っている点は注目に値します。
(2)株式会社型DAOの社会的認知の拡大
ぐんま山育DAOのWBS放送は、DAO(自律分散型組織)という概念がテクノロジー業界を超えて一般社会に浸透し始めていることを示しています。「株式会社型DAO」という日本独自のスキームが、自治体との連携や全国メディアでの紹介を通じて、社会的な信頼性を獲得しつつあります。
(3)DAOXプラットフォームを軸としたスケーラブルな展開
ガイアックスが開発・提供するDAO組成・運用プラットフォーム「DAOX」は、クレジットカード対応のNFT(Non-Fungible Token、非代替性トークン)販売やウォレット自動生成、リワードトークン付与機能などを備えており、技術的なハードルを下げることで、より多くの地域・コミュニティでのDAO導入を可能にしています。Q3の複数プロジェクトの同時進行は、このプラットフォームの成熟を反映しています。
今後の注目ポイント
2025年Q4以降、以下の動向が注目されます。
身の丈DAOの工事完了と商店街の実稼働: 資金調達を完了した身の丈ストリートが、実際にリノベーションされた商店街としてオープンし、DAOによる共助型運営がどのように機能するかが試されます。
ぐんま山育DAOの自然派ワイン事業の進展: 2025年度の活動実績を踏まえた記者発表会が2026年3月27日に予定されており、「リアルな地方創生」の成果が公表される見込みです。
CEATEC 2025での産学連携: 2025年10月のCEATEC 2025では、ガイアックスが早稲田大学・東京科学大学と共同で「高弾性なweb3デジタルツインプロジェクト」として出展しており、DePIN(Decentralized Physical Infrastructure Network、分散型物理インフラネットワーク)領域への展開も始まっています。
日本DAO協会のガイドライン・認証制度の進展: ガイアックスが賛助会員として参画する日本DAO協会の認証制度が本格稼働することで、DAO市場全体の信頼性向上と健全な成長が期待されます。



