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web3 スタートアップ
  • 更新日: 2023年9月4日

ブロックチェーンがこれまでに存在した「仮想通貨」というユースケースにとどまらず、NFTやDeFi、GameFiなどといった用途に広がり、Web3としてインターネットの新しい可能性が急速に広がりました。このような背景から、世界中でWeb3領域のスタートアップ立ち上げが盛り上がっています。

日本においても、政府からWeb3を国家の成長戦略の柱に据えることが発表され、半導体などの既存産業に代わって、国力をかけてWeb3への戦略的アプローチが進められている段階です。そのような情勢から、Web3領域のスタートアップ立ち上げに興味を持つ方も多いのではないでしょうか?

そこで本記事では、Web3領域でスタートアップを立ち上げる際に把握しておきたい前提知識と市況、立ち上げにあたって気をつけるべきことについて解説していきます。

Web3の現状

web3 現状まず、急成長中であるWeb3の現状について、実例を踏まえつつ簡単に見ていきましょう。

Web3を取り巻く現状

Web3の根幹であるブロックチェーンの市場は、国内の市場規模だけでも2025年のうちに7,000億円まで伸びると予測されています(参照元)。2021年の市場規模が約783億円なので、4〜5年で10倍程度の成長が見込まれており、Web3は圧倒的な成長産業として注目されるようになりました。

また、2022年1月に米LinkedInが出した調査によると、2020〜21年にかけて米国ではWeb3関連の求人情報が395%増加したと報告されており、雇用の増加にも繋がっています(参照元)。

このように、世界中でWeb3への関心が増え、日本人創業者による新しいプロジェクトの数も急速に増えています。

Web3は既存産業に組み込まれる

Web3の根幹となるブロックチェーンは、あくまでも「技術」です。その技術は既存の産業に組み込まれることで、初めて世の中に変革をもたらします。

具体的には、ブロックチェーンの特徴である「透明性の高い情報の記録」を既存事業の中に組み込むことで、新しい課題解決を試みるなどです。

例えばオフィスなどで使われているスマートロックのAkerunにおいては、API認証によるNFT連携によりオフィスの入退出のツールとしてNFTを使用できないかという検証がされています。このサービスが実現されると、既存産業とWeb3領域を組み合わせて、新しい価値が生み出されるというわかりやすい例になるでしょう。

このような現状から、「既存産業にある課題をブロックチェーン技術で解決できないか?」という動きが加速しており、起業家の注目を集めています。

Web3領域でスタートアップを立ち上げるには?

スタートアップそんなWeb3領域において、スタートアップを立ち上げる方法についてみていきましょう。

具体的には「起業のノウハウ」に加えて、「Web3領域の知識」の両方が必要となってきます。

起業のノウハウ

当たり前のことですが、スタートアップを立ち上げるには、「起業のノウハウ」が必要になってきます。

細分化すると、法人設立、採用、プロダクト開発、マーケティング、営業、バックオフィス(法務・労務・経理)など、立ち上げたビジネスがうまく回る仕組みが必要です。

しかし、これらを一人で完結させるのは大きな労力を要するはず。そのため、Web3領域でのビジネスアイデアがある方は、「起業のノウハウ」に詳しい方を味方につけたり、スキルを持ったチームメンバーを募るなど、仲間や協力者を増やしていくところから始めましょう。

Web3領域の知識

こちらも当たり前のことですが、Web3領域でスタートアップを立ち上げるには、そのバックグラウンドの知識が必要となってきます。

具体的には、ブロックチェーンやトークン、NFT、DEX、DAOなど基礎的用語や仕組みへの理解を深めたいです。

そして、 日本においてトークンで資金調達した際の税金の取り扱いはどうするか、そもそもどの国で法人設立するかなど、Web3領域ならではの障壁が存在します。

Web3スタートアップで活躍できる人の特徴

ここからはWeb3領域でスタートアップを立ち上げた際に、活躍できる人の特徴について紹介していきます。

なお、創業者としてWeb3領域でスタートアップを立ち上げる方のみではなく、事業の推進メンバーとしてそこで働く方にとっても当てはまる内容となっています。

世の中の課題解決を実現したい方

ブロックチェーン技術は、既存の社会や技術にプラスされることで、様々な課題解決に応用できる可能性を秘めています。

2022 年時点において、ブロックチェーンが実用化されているのは仮想通貨などの金融分野が中心ではありますが、今後は農業、エネルギー、ヘルスケア、行政サービスなど、あらゆる産業において活用される見通しです。

このように、Web3の根幹であるブロックチェーン技術は、活用の幅が無限大といっても過言ではありません。

したがって、Web3領域には新しく0→1で課題解決を実現するチャンスが広がっており、社会に対して何かしらのインパクトを起こしたい方にとってピッタリな領域といえるでしょう。

新しいイノベーションを興したい方

Web3の業界は注目されているとはいえ、まだまだ突貫工事状態です。各分野・産業においてサービスやインフラは整備されておらず、手探り状態が続いています。

このことから「誰も手をつけてない領域」が多く存在し、誰にでも平等にチャンスが広がっています。

インターネットの市場のように、GAFAMなどのビックテック企業や既にノウハウや顧客をもった競合が存在しません。そのため、既存の限られた市場で戦うよりも、イノベーションを興しやすい領域だといえます。

変化を柔軟に楽しめる方

Web3の領域は市場の伸びが著しく、変化が激しいのが特徴的です。そんな先の見えない、変化の激しい世界の中で、新しいものを創造していくのにワクワクする方は向いているといえます。

また、常に最新のニュースやテクノロジーに触れ、時代の最先端を追っていきたい方にはピッタリな領域といえるでしょう。

そのような変化の激しい中で、おもしろい事業を作ることができたら、一気に成長を加速することができるかもしれません。

Web3スタートアップの課題

web3 課題ここまでで、Web3がいかに成長産業であるかや、新しいチャンスが広がっている領域であるかについて紹介してきました。

とはいえ、物事には二面性があり、Web3領域でスタートアップを立ち上げるための課題がいくつか存在します。その課題について、詳しく見ていきましょう。

日本の法律や税制

日本では暗号資産に関する法律や税制面が厳しく、事業モデルによってはトークンを用いたビジネスを日本で実施するのが難しいことがあります。

例えば、法人が期末に仮想通貨を保有しているだけで税金がかかるといった大きな問題があります。時価総額が100億円だとして、その半分の50億円分のトークンを保有しているとすると、払わなくてはいけない税金が15億円ほどになります(税率30%と仮定)。

しかし、シンガポールやドバイなどでは、その税金がかかりません。そのような背景があり、Web3の起業家が軒並み海外に流出しているというのが現状です。

もちろん、日本のこのような法律や税制の課題は認識されており、改正に向けて様々なアプローチがされていますが、まだまだ時間がかかる見通しです。

人材不足

Web3領域でスタートアップビジネスを展開していくためには、その根幹であるブロックチェーン技術を活用したシステムやサービスの発展が前提となります。

しかし、ブロックチェーン開発には、スマートコントラクトの実装に使われるSolidityなどの言語知識が必要な上に、急速な市場の変化に対応できる能力を持ったエンジニアが求められます。

このようなハードルの高さが故に、優秀な人材が不足しているのが現状です。優秀な人材が不足しているということは、Web3領域で素晴らしいアイデアがあっても、実現できる可能性が減ってしまうことになります。

逆に捉えれば、これから市場価値の高いスキルを身につけようとしている方にとってはチャンスでもあります。Web3領域のスタートアップに関わりたい方にとっては、ブロックチェーン技術を身につけることができれば、引く手数多といえるでしょう。

参入障壁が高い

Web3領域はインフラが整備されていなかったり、こうすればうまくいくといったナレッジが蓄積されていません。

そのような中で変化が激しく、常に最新情報をキャッチアップしなければならないので、多くの時間を要することになります。

ゆえに、Web3領域への参入は莫大なリソースが必要で、既存産業で大手のポジションを取れている企業でも参入が遅れたり、意思決定できなかったりします。

もしあなたがWeb3領域に参入する場合、スタートアップの成長に向けて最短距離でアプローチすることはなかなか難しいです。しかし、Blockchain Biz  Communityなどのコミュニティに参加することで、勉強会やイベントを通して、Web3の事業例や業界の動向を掴みやすくなります。

» Blockchain Biz Communityに参加する

Web3領域におけるスタートアップの例

最後に、Web3でスタートアップを立ち上げるイメージを明確にするために、日本におけるWeb3スタートアップビジネス例を紹介していきます。

実際のスタートアップビジネス例を見ることで、事業アイデアの着想を得ることができるかもしれないので、併せて見ていきましょう。

Akerun×NFT

先ほど紹介した「Akerun」では、ガイアックスと、フォトシンスによってNFT認証を用いたスマートロックのシステムが共同開発されており、実証段階が進められています。

このシステムによって、個人が保有するNFTをスマートロックの鍵として使用することが可能になり、オフィスや様々な施設への入退室管理を行うことができます。

従来では、そのような入退室管理に「カード型会員証」を用いることが一般的でした。ですが、NFTを活用することで、利用者同士の同意により入退室権限の譲渡が可能になります。

これにより、物理的なセットアップが必要ではなくなるなど、より効率的な入退室管理が可能になると期待されています。

» Akerun 公式ページ

Gaudiy Fanlink

Gaudiy「Gaudiy Fanlink」とは、Gaudiyによって提供される、Web3時代のファンプラットフォームのことです。

このサービスでは、NFT、DID(分散型ID)などのブロックチェーン技術を活用して、IP(知的財産コンテンツ)に紐づくファンの活動データを蓄積し、貢献度などに応じて価値を還元するエコシステムを構築しています。

このサービスにより、IPホルダーが既存のプラットフォーム(動画コンテンツならYouTube、音楽ならSpotifyなど)に依存することなく、自らが構築したコミュニティに顧客基盤を形成できるようになると期待されています。

» Gaudiy Fanlink 特設サイト 

CryptoBase@NIB SHIBUYA

Crypto Base「CryptoBase@NIB SHIBUYA」とは、Mirai Instituteとガイアックスが運営する、Web3に特化したシェアオフィスサービスのことです。

このサービスでは、急成長中であるWeb3やブロックチェーンの理解を業界全体に広げていくために、業界内での交流や活動を促進するオフラインの場を提供しています。

具体的には、シェアオフィスのスペース提供だけでなく、Web3のイベントや勉強会、NFTのギャラリーや認証スマートロックの導入などリアルな場所があるからこそできる体験を用意しています。

また、運営自体にDAO的要素を取り入れ、Web3に対して関心の高いメンバーが集まっています。このような形態から、日本でWeb3に興味持っている人にとっての中心地になることが期待されています。

» CryptoBase 公式ページ

急成長中のWeb3領域でスタートアップを立ち上げよう

Web3の根幹であるブロックチェーン技術は実用性が高く、その技術は既存の産業に組み込まれることで、世の中に変革をもたらします。

実際に、本記事で紹介したスタートアップの例では、入退室管理やファンプラットフォーム、シェアオフィスなど、既存産業にブロックチェーン技術が組み込まれていることがわかります。

新しい領域であるため課題も多いですが、Web3がもたらす社会的な変化は、世の中に新しい価値を提供できる可能性が大きいです。

新しい技術を使って、これまでの社会が抱えてきた課題を解決するような技術を作りたいのであれば、このタイミングでWeb3に参入するべきでしょう。

なお、Blockchain Biz Communityでは、日本ブロックチェーン協会の理事を務めていて、長年Web3に関する事業開発に関わってきたメンバーが運営にいます。Web3の最新情報からスタートアップビジネスのアイデアまで、コミュニティを通して効率的にキャッチアップできる環境が整っているので、Web3領域のスタートアップに興味がある方は、このような環境を十分に活用してみてはいかがでしょうか。

» Blockchain Biz Communityに参加する

Gaiaxブランド推進室にて公式メディアの運営を担当。過去にはオンライン配信事業の立ち上げ、マーケティング担当者も経験。2022年はクリプトに注力→マーケティング事業で法人化準備中。移住した岐阜で、観葉植物に囲まれながら仕事をしている。

ブロックチェーンを学び、新しいことをサービスを作りたい人が集まるコミュニティーを運営しています。
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